第一種衛生管理者試験 — Questions and Answers
Question 1: 職場における化学物質のリスクアセスメントの実施手順として正しいものはどれか。
- リスク低減措置の実施→危険性・有害性の特定→リスクの見積もり
- リスクの見積もり→危険性・有害性の特定→リスク低減措置の検討
- リスク低減措置の実施→評価→危険性の特定
- 危険性・有害性の特定→リスクの見積もり→リスク低減措置の検討→実施 (Correct answer)
Correct answer: 危険性・有害性の特定→リスクの見積もり→リスク低減措置の検討→実施
リスクアセスメントの基本的な手順は①危険性・有害性の特定→②リスクの見積もり→③リスク低減措置の検討と優先度設定→④リスク低減措置の実施です。
Question 2: 心臓の構造と機能について正しいものはどれか。
- 右心室から肺動脈へ静脈血(酸素の少ない血液)が送られる (Correct answer)
- 左心室から肺動脈へ動脈血が送られる
- 左心室は体循環ではなく肺循環に血液を送る
- 右心房には肺から酸素を多く含む血液が戻る
Correct answer: 右心室から肺動脈へ静脈血(酸素の少ない血液)が送られる
右心室は静脈血(酸素が少なく二酸化炭素が多い)を肺動脈へ送り、肺でガス交換させます。左心室は肺から戻った動脈血(酸素が多い)を大動脈へ送り、全身に供給します。
Question 3: 血液検査における肝機能の指標として最も代表的なものはどれか。
- BUN(血中尿素窒素)・クレアチニン
- 空腹時血糖・HbA1c
- AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP (Correct answer)
- 白血球数・赤血球数・ヘモグロビン
Correct answer: AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP
肝機能の代表的指標はAST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPです。ASTとALTは肝細胞障害の指標、γ-GTPはアルコール性肝障害・胆道疾患の指標として重要です。
Question 4: 職場における心の健康づくり計画(メンタルヘルスアクションプラン)の策定・推進において中心的役割を担う者はどれか。
- 労働組合のみが担う
- 事業者(経営者)が主体となり、産業医・保健師・人事担当者等と連携して推進する (Correct answer)
- 外部のコンサルタントのみが策定する
- 産業医が独自に策定・推進する
Correct answer: 事業者(経営者)が主体となり、産業医・保健師・人事担当者等と連携して推進する
メンタルヘルス対策は事業者が主体となって取り組む必要があります。産業医・保健師・衛生管理者・人事労務担当者・管理監督者・外部専門機関等が連携してアクションプランを策定・実施します。
Question 5: 副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の主な作用として正しいものはどれか。
- 副交感神経を刺激して心拍数を下げる作用
- カルシウムの腸管吸収を促進する作用
- 血糖値を直接下げる作用
- 糖新生の促進・抗炎症作用・免疫抑制作用 (Correct answer)
Correct answer: 糖新生の促進・抗炎症作用・免疫抑制作用
コルチゾール(糖質コルチコイド)の主な作用は糖新生促進(血糖上昇)、タンパク質異化促進、抗炎症作用、免疫抑制作用です。ストレス応答で分泌が増加し「ストレスホルモン」とも呼ばれます。
Question 6: 労働安全衛生法第66条の5に規定される健康診断の事後措置として、事業者がとるべき義務として正しいものはどれか。
- 産業医等の意見を勘案して必要に応じ作業転換・労働時間短縮等の措置を講じ、その旨を衛生委員会等に報告すること (Correct answer)
- 健康診断結果を全労働者に公開すること
- 異常所見がある労働者を強制的に入院させること
- 異常所見がなければ何もしなくてよい
Correct answer: 産業医等の意見を勘案して必要に応じ作業転換・労働時間短縮等の措置を講じ、その旨を衛生委員会等に報告すること
事業者は健康診断の異常所見がある労働者について産業医等の意見を聴き、必要に応じて就業場所の変更・作業転換・労働時間の短縮等の措置を講じ、その内容を衛生委員会等で審議・報告しなければなりません。
Question 7: 粉じん作業における防じんマスクの正しい使用方法として適切なものはどれか。
- 防じんマスクは一度使用したら毎回廃棄する
- 取替え式防じんマスクのフィルタは、破損・著しい変形・呼吸抵抗の増大時に交換する (Correct answer)
- マスクは顔に密着していなくても効果は変わらない
- 防じんマスクで有機溶剤蒸気も除去できる
Correct answer: 取替え式防じんマスクのフィルタは、破損・著しい変形・呼吸抵抗の増大時に交換する
取替え式防じんマスクのフィルタは、破損・著しい変形・目詰まりによる著しい呼吸抵抗の増大が生じた場合に交換します。フィルタが汚れても呼吸抵抗が許容範囲内なら交換不要な場合があります。顔への密着(フィットチェック)は非常に重要です。
Question 8: 作業環境測定の結果、第三管理区分と判定された場合、事業者がとるべき措置として正しいものはどれか。
- 労働者に保護具を着用させることで対応を完了すること
- 直ちに施設・設備の改善等を行い、作業環境を改善すること (Correct answer)
- 翌年の定期測定まで経過観察すること
- 3ヶ月以内に作業環境の改善計画を作成すること
Correct answer: 直ちに施設・設備の改善等を行い、作業環境を改善すること
第三管理区分は直ちに改善が必要な状態です。事業者は施設・設備の改善等の措置を直ちに講じ、作業環境を第一管理区分または第二管理区分とするよう努めなければなりません。
Question 9: 腰痛予防のためのストレッチ(準備体操)実施のタイミングとして最も適切なものはどれか。
- 腰痛が発症した後に実施する
- 週1回まとめて実施すれば効果的
- 作業終了後のみ
- 作業開始前および作業中の適宜の休憩時 (Correct answer)
Correct answer: 作業開始前および作業中の適宜の休憩時
腰痛予防のストレッチは作業開始前(筋肉を温め柔軟にする)および作業中の適宜の休憩時(筋肉の緊張をほぐす)に実施することが最も効果的です。腰痛発症後に行う場合は医師の指示に従います。
Question 10: 健診後の保健指導における生活習慣改善のアプローチとして「動機付け支援」の特徴はどれか。
- 毎月1回以上の面接を6ヶ月間継続する集中的支援
- 医師による薬物治療を中心とした支援
- 入院による集中的な生活改善プログラム
- 対象者自身が行動目標を設定し、3ヶ月後に実績評価を行う程度の支援 (Correct answer)
Correct answer: 対象者自身が行動目標を設定し、3ヶ月後に実績評価を行う程度の支援
動機付け支援はメタボリックシンドロームの予備群が対象で、初回面接で対象者自身が行動目標を設定し、3ヶ月後に実績評価を行うことで自己管理能力の向上を支援します。毎月面接等は積極的支援の内容です。
Question 11: 粉じん障害防止規則における粉じん作業の管理として正しいものはどれか。
- 粉じん作業には粉じんの発散を抑制する設備の設置、作業環境測定、定期健康診断が義務付けられている (Correct answer)
- 粉じん作業の健康診断は雇入れ時のみでよい
- 粉じん作業の測定は3年に1回でよい
- 粉じん作業には保護具着用のみで設備設置義務はない
Correct answer: 粉じん作業には粉じんの発散を抑制する設備の設置、作業環境測定、定期健康診断が義務付けられている
粉じん障害防止規則では①発散抑制設備(局所排気等)の設置、②作業環境測定(6ヶ月以内ごと1回)、③粉じん健康診断(就業時・定期等)、④防じんマスクの使用等が義務付けられています。
Question 12: ヒトの消化管において、栄養素の吸収が主に行われる部位はどれか。
- 胃
- 大腸
- 食道
- 小腸(特に空腸・回腸) (Correct answer)
Correct answer: 小腸(特に空腸・回腸)
栄養素(グルコース・アミノ酸・脂肪酸等)の大部分は小腸(十二指腸・空腸・回腸)で吸収されます。大腸は主に水分と電解質の吸収を担い、胃は消化(特にタンパク質)を行いますが吸収は限定的です。
Question 13: 職場における熱中症予防のための暑さ指数(WBGT)の活用方法として正しいものはどれか。
- WBGTの基準値は作業強度(代謝率水準)によって異なる (Correct answer)
- WBGT値が基準を下回っていれば熱中症対策は不要である
- WBGTは気温のみで計算できる
- WBGTは屋内作業には適用できない
Correct answer: WBGTの基準値は作業強度(代謝率水準)によって異なる
WBGTの基準値は作業強度(代謝率水準:安静・低・中・高・極高)によって異なります。軽作業より重作業の方が体内熱産生が多いため、より低いWBGT値でも熱中症リスクが高まります。
Question 14: メンタルヘルス不調で休職した労働者の職場復帰支援における「試し出勤制度」の目的として正しいものはどれか。
- 試し出勤中は賃金を支払わなくてよいため
- 休職者が段階的に職場環境に慣れ、復帰の可能性を本人・事業者が評価するため (Correct answer)
- 主治医の診療時間の代替として利用するため
- 復帰の見込みがない場合の解雇手続きを進めるため
Correct answer: 休職者が段階的に職場環境に慣れ、復帰の可能性を本人・事業者が評価するため
試し出勤(リハビリ出勤・慣らし勤務)制度は、休職者が本格復帰前に短時間・軽作業から段階的に職場環境に慣れる機会を提供し、本人・事業者双方が復帰可能かを評価するための制度です。
Question 15: 定期健康診断の検査項目のうち、医師が必要と認めた場合に省略できる項目として正しいものはどれか。
- 視力・聴力検査は省略できない
- 胸部X線写真は全例実施が必須で省略不可
- 既往歴・業務歴の調査、自覚症状・他覚症状の有無の調査は省略不可。貧血検査・肝機能・血中脂質等は35歳未満で省略可能な場合がある (Correct answer)
- 全ての検査項目を省略できる
Correct answer: 既往歴・業務歴の調査、自覚症状・他覚症状の有無の調査は省略不可。貧血検査・肝機能・血中脂質等は35歳未満で省略可能な場合がある
定期健康診断の必須項目と省略可能項目があります。問診(既往歴・自覚症状)等は省略不可ですが、血液検査・胸部X線等は年齢(35歳未満等)・医師の判断によって省略が認められる場合があります。
Question 16: 労働安全衛生法に基づく定期健康診断の結果報告について正しいものはどれか。
- 全ての事業者に報告義務がある
- 報告義務はなく任意提出のみ
- 常時50人以上の労働者を使用する事業者は定期健康診断結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない (Correct answer)
- 常時1000人以上の事業場のみ報告義務がある
Correct answer: 常時50人以上の労働者を使用する事業者は定期健康診断結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければならない
常時50人以上の労働者を使用する事業者は、定期健康診断を実施した後、遅滞なく定期健康診断結果報告書を所轄の労働基準監督署長に提出しなければなりません。
Question 17: 内分泌(ホルモン)系において、インスリンの主な作用として正しいものはどれか。
- 血圧を上げる
- 血糖値を下げる(細胞のグルコース取り込み促進・グリコーゲン合成促進) (Correct answer)
- 心拍数を増加させる
- 血糖値を上げる
Correct answer: 血糖値を下げる(細胞のグルコース取り込み促進・グリコーゲン合成促進)
インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から血糖上昇に応じて分泌され、細胞へのグルコース取り込み促進・グリコーゲン合成促進・脂肪合成促進により血糖値を下げます。
Question 18: 事業者が講じなければならない健康障害防止措置として、化学物質のラベル表示義務について正しいものはどれか。
- ラベル表示は全ての化学物質に義務がある
- ラベルの内容は事業者が自由に決められる
- ラベル表示は輸入品のみに義務がある
- SDSの交付義務がある化学物質(GHS対象物質等)は容器・包装へのラベル表示が義務付けられている (Correct answer)
Correct answer: SDSの交付義務がある化学物質(GHS対象物質等)は容器・包装へのラベル表示が義務付けられている
労働安全衛生法では、SDSの交付が義務付けられている物質(GHS対象物質等674物質以上)については、容器・包装へのラベル表示が義務付けられています。2022年改正でラベル表示・SDS交付義務対象物質が大幅に拡大されました。
Question 19: 鉛中毒の主な症状と影響として正しいものはどれか。
- 皮膚の着色変化のみ
- 血糖値の著しい上昇
- 造血障害(貧血)・神経障害・腎障害・消化器症状(腹部仙痛) (Correct answer)
- 急性の呼吸器症状のみ
Correct answer: 造血障害(貧血)・神経障害・腎障害・消化器症状(腹部仙痛)
慢性鉛中毒の主な症状は①造血障害(ヘム合成阻害→溶血性貧血)、②神経障害(末梢神経障害・脳症)、③腎障害(間質性腎炎)、④消化器症状(鉛疝痛:腹部仙痛)、⑤歯肉の鉛線(Burton線)です。
Question 20: 職場におけるがん対策として重要な一次予防の取り組みはどれか。
- 化学療法の副作用管理
- がんと診断された後の就労支援のみ
- 禁煙支援・受動喫煙対策、飲酒対策、肥満対策等の生活習慣改善 (Correct answer)
- がん検診による早期発見のみ
Correct answer: 禁煙支援・受動喫煙対策、飲酒対策、肥満対策等の生活習慣改善
がんの一次予防は喫煙(禁煙支援・受動喫煙対策)、飲酒、肥満、運動不足、感染症(HPV・HBV等)など発がんリスクを低減する生活習慣改善が中心です。がん検診は二次予防(早期発見)です。
Question 21: 労働者死傷病報告の提出義務について正しいものはどれか。
- 休業4日以上の労働災害は遅滞なく、休業1〜3日の場合は四半期ごとに所轄労働基準監督署長に提出する (Correct answer)
- 報告書の提出先は都道府県知事
- 軽微な怪我(休業なし)のみ報告する
- 全ての労働災害を発生の都度報告する
Correct answer: 休業4日以上の労働災害は遅滞なく、休業1〜3日の場合は四半期ごとに所轄労働基準監督署長に提出する
労働者死傷病報告は、休業4日以上の災害は遅滞なく、休業1〜3日の災害は四半期ごとにまとめて所轄労働基準監督署長に提出します。死亡・休業4日以上は優先的に報告が必要です。
Question 22: 振動障害の予防対策として適切でないものはどれか。
- 防振手袋を着用する
- 振動工具使用後に手指の温浴を行う
- 振動工具を使用する作業時間を無制限に延長する (Correct answer)
- 振動工具の定期的な点検・整備を行う
Correct answer: 振動工具を使用する作業時間を無制限に延長する
振動障害(手腕振動症候群)の予防には振動工具の使用時間を制限することが重要です。使用時間を無制限に延長することは振動障害のリスクを高める不適切な行為です。
Question 23: 事業者が労働者を雇い入れた際または作業内容を変更した際に行う安全衛生教育の特徴として正しいものはどれか。
- 教育内容は法令で詳細に規定されており変更できない
- オンライン(eラーニング)での実施は認められていない
- 時間的制限はなく最低1時間でよい
- 実施したことを記録として保存し、必要な場合提示できるようにしておくことが望ましい (Correct answer)
Correct answer: 実施したことを記録として保存し、必要な場合提示できるようにしておくことが望ましい
雇入れ時・作業変更時の安全衛生教育については記録の保存が推奨されています。法令には8つの事項が示されていますが、実施時間の最低基準はなく(ただし十分な時間が必要)、一部オンライン実施も認められています。
Question 24: 騒音作業場における作業環境測定に使用する機器として適切なものはどれか。
- JIS規格に基づく普通騒音計または精密騒音計(積分型を含む) (Correct answer)
- 作業者による主観的評価のみで代替可能
- メーカー独自規格の簡易型騒音計のみ
- 超音波式の音圧計のみ
Correct answer: JIS規格に基づく普通騒音計または精密騒音計(積分型を含む)
騒音作業場の作業環境測定には、JIS規格に適合した普通騒音計または精密騒音計(積分型を含む)を使用することが定められています。
Question 25: ジクロロメタン(塩化メチレン)の特徴的な代謝と毒性として正しいものはどれか。
- 腎臓にのみ毒性を示す
- 体内では代謝されずそのまま排泄される
- 骨髄毒性による白血球減少を主に引き起こす
- 体内で一酸化炭素に変換されてカルボキシヘモグロビン血症を引き起こす (Correct answer)
Correct answer: 体内で一酸化炭素に変換されてカルボキシヘモグロビン血症を引き起こす
ジクロロメタン(塩化メチレン)は体内で代謝されて一酸化炭素(CO)を産生し、カルボキシヘモグロビン(COHb)血症を引き起こします。低酸素症・頭痛・めまい・虚血性心疾患リスクの原因となります。特別有機溶剤(特化則)に指定されています。
Question 26: 精神疾患(うつ病等)で休業した労働者が職場復帰する際の判断基準として適切なものはどれか。
- 主治医の診断書があれば即日フルタイム復帰できる
- 業務に求められる水準の業務遂行能力の回復、規則的な生活・通勤が可能な状態 (Correct answer)
- 本人が「復帰したい」と言えば即復帰可能
- 試し出勤なしで正規業務を開始する
Correct answer: 業務に求められる水準の業務遂行能力の回復、規則的な生活・通勤が可能な状態
職場復帰の判断基準は単に「症状が軽快した」だけでなく、業務遂行に必要な水準の能力回復(通勤・定時勤務・軽作業継続等)と産業医・主治医・事業者の総合的な判断が必要です。段階的な復帰が原則です。
Question 27: 作業環境における化学物質の管理濃度とは何か。
- 化学物質の臭いを感じることができる最低濃度
- 労働者の健康障害を予防するために設定された作業環境の評価基準となる濃度 (Correct answer)
- 化学物質が爆発する限界濃度
- 化学物質の急性毒性が発現する濃度
Correct answer: 労働者の健康障害を予防するために設定された作業環境の評価基準となる濃度
管理濃度は、作業環境測定基準に基づき、労働者の健康障害を予防するため、作業環境の状態を評価するための基準として厚生労働大臣が定めた濃度です。
Question 28: 産業医の専属・選任の基準について正しいものはどれか。
- 産業医の選任は任意
- 常時10人以上で選任義務
- 全事業場で専属産業医が必要
- 常時50人以上の事業場では産業医の選任が義務付けられ、1000人以上(特定業種は500人以上)では専属が義務 (Correct answer)
Correct answer: 常時50人以上の事業場では産業医の選任が義務付けられ、1000人以上(特定業種は500人以上)では専属が義務
産業医の選任義務は常時50人以上の労働者を使用する事業場に生じます。専属産業医(事業場に属する産業医)は常時1000人以上(深夜業等特定業務500人以上)の事業場に必要です。
Question 29: 酸素欠乏症の原因として正しいものはどれか。
- 二酸化炭素濃度が1%を超える環境での作業
- 粉じん濃度が高い環境での作業
- 有機溶剤蒸気濃度が高い環境での作業
- 酸素濃度が18%未満の環境での作業 (Correct answer)
Correct answer: 酸素濃度が18%未満の環境での作業
酸素欠乏症は空気中の酸素濃度が18%未満(通常は約21%)の環境で発症します。地下タンク・マンホール・発酵タンク等で問題となります。18%未満で症状が出始め、6%以下では即死の危険があります。
Question 30: 溶接ヒュームの健康影響として最も重要なものはどれか。
- 主に騒音による聴力障害
- 鉄、マンガン、クロム、ニッケル等の金属ヒュームによる肺障害・中枢神経障害・発がんリスク (Correct answer)
- 溶接ヒュームは健康に無害
- 主に紫外線による日焼けのみ
Correct answer: 鉄、マンガン、クロム、ニッケル等の金属ヒュームによる肺障害・中枢神経障害・発がんリスク
溶接ヒュームは溶接母材・溶接棒の種類に応じて鉄・マンガン・クロム(六価)・ニッケル等の金属微粒子を含み、吸入により肺障害(鉄肺・スウェルダー肺等)、マンガン中毒(神経症状)、発がん(六価クロム・ニッケル)のリスクがあります。2021年から特定化学物質に追加指定されました。
Question 31: 特定化学物質障害予防規則において、特定化学物質作業主任者の選任が必要となる業務の例として正しいものはどれか。
- 清掃作業全般
- 全ての化学物質を取り扱う全業務
- 食品製造業全般
- 第一類または第二類特定化学物質を製造・取り扱う業務 (Correct answer)
Correct answer: 第一類または第二類特定化学物質を製造・取り扱う業務
特定化学物質作業主任者の選任は第一類・第二類特定化学物質を製造・取り扱う業務に必要です。第三類特定化学物質は作業主任者選任不要(ただし他の規制あり)です。
Question 32: 労働安全衛生法第13条の2に規定される保健師の職務として正しいものはどれか。
- 産業医が選任されている事業場で産業医の活動を補佐し、労働者の健康管理を行う (Correct answer)
- 産業医の代わりに定期健康診断を実施する
- 危険有害業務の就業制限を判断する
- 衛生管理者として選任される
Correct answer: 産業医が選任されている事業場で産業医の活動を補佐し、労働者の健康管理を行う
保健師は事業場において産業医を補佐しながら労働者の健康管理活動(保健指導、健康相談、健康教育等)を行います。特に産業医の非専属・非常勤の事業場では保健師が日常的な健康管理の中心を担うことがあります。
Question 33: 産業医学における「疫学」の役割として正しいものはどれか。
- 化学物質の毒性を動物実験で研究する分野
- 個々の患者を診察・治療する臨床医学の一分野
- 医療機器の開発を行う工学的分野
- 集団における疾病の頻度・分布・決定要因を研究し、職業性疾患の原因解明や予防対策の立案に役立てる (Correct answer)
Correct answer: 集団における疾病の頻度・分布・決定要因を研究し、職業性疾患の原因解明や予防対策の立案に役立てる
疫学(Epidemiology)は集団(人口集団)における疾病の頻度・分布・決定要因を研究する学問で、職業性疾患の原因(業務起因性)の解明、リスク因子の特定、予防対策の効果評価等に活用されます。
Question 34: シリカ(遊離二酸化ケイ素)による職業性疾患として正しいものはどれか。
- 鉄肺
- 石綿肺(アスベスト肺)
- けい肺(シリコーシス):肺の線維化によるじん肺 (Correct answer)
- 溶接工肺
Correct answer: けい肺(シリコーシス):肺の線維化によるじん肺
遊離二酸化ケイ素(石英・クリストバライト等)の粉じんを長期吸入することでけい肺(シリコーシス)が発症します。肺の進行性線維化が起こり、結核や肺がんを合併しやすいことも特徴です。
Question 35: 産業保健の一次・二次・三次予防の区別として正しいものはどれか。
- 一次予防:健康診断のみ、二次予防:手術、三次予防:健康相談
- 一次予防:治療、二次予防:リハビリ、三次予防:予防接種
- 一次予防:三次予防→二次予防→一次予防の逆順
- 一次予防:発症前の予防(健康増進・特異的予防)、二次予防:早期発見・早期治療(健康診断)、三次予防:治療・リハビリ・職場復帰 (Correct answer)
Correct answer: 一次予防:発症前の予防(健康増進・特異的予防)、二次予防:早期発見・早期治療(健康診断)、三次予防:治療・リハビリ・職場復帰
産業保健における予防の段階:①一次予防(発症前:健康増進、リスク除去)、②二次予防(早期発見・早期治療:健康診断等)、③三次予防(治療・職場復帰・再発防止:リハビリ等)の3段階です。
Question 36: 労働安全衛生法に基づくストレスチェックの実施義務が課される事業場の規模はどれか。
- 常時50人以上の労働者を使用する事業者 (Correct answer)
- 常時10人以上の労働者を使用する事業者
- 常時100人以上の労働者を使用する事業者
- 規模に関わらず全ての事業者
Correct answer: 常時50人以上の労働者を使用する事業者
ストレスチェックの実施義務は常時50人以上の労働者を使用する事業者に課されています。50人未満の事業場は当分の間努力義務です。実施頻度は年1回以上です。
Question 37: 定期健康診断において、血液検査で貧血検査として行われる項目として正しいものはどれか。
- 血小板数・凝固時間
- CRP(C反応性タンパク)
- 赤血球数・血色素量(ヘモグロビン)・ヘマトクリット値 (Correct answer)
- 白血球分画
Correct answer: 赤血球数・血色素量(ヘモグロビン)・ヘマトクリット値
定期健康診断の貧血検査は赤血球数、ヘモグロビン(血色素量)、ヘマトクリット値(赤血球の体積割合)が基本項目です。これらの値が低値の場合に貧血と診断されます。
Question 38: ストレスチェックの目的として正しいものはどれか。
- 経営者が労働者の精神状態を把握して人事管理に活用する
- 労働者が自分のストレス状態を知るとともに、職場環境の改善につなげることで一次予防を促進する (Correct answer)
- うつ病患者を早期に発見して治療につなげる(二次予防)のみを目的とする
- 産業医が全労働者の精神状態を診断する
Correct answer: 労働者が自分のストレス状態を知るとともに、職場環境の改善につなげることで一次予防を促進する
ストレスチェック制度の主な目的は労働者が自分のストレス状態を知ること(気づき)と、集団分析を通じた職場環境改善(一次予防)です。個人の病気早期発見(二次予防)ではなく、職場全体のメンタルヘルス改善が主目的です。
Question 39: 人力による重量物の取り扱いにおいて、男性労働者が常時取り扱う重量の目安として労働省(現厚生労働省)が示している基準はどれか。
- 体重の約40%以下 (Correct answer)
- 体重と同等まで
- 体重の約20%以下
- 体重の約60%以下
Correct answer: 体重の約40%以下
労働省(現厚生労働省)の指針では、男性労働者が常時取り扱う重量は体重の約40%以下とすることが示されています。女性は男性の60%(体重の約24%)を目安としています。
Question 40: 心肺蘇生法(CPR)において、成人への胸骨圧迫の適切な深さはどれか。
- 約2cm
- 約1cm
- 約10cm
- 約5cm(5〜6cmを目安) (Correct answer)
Correct answer: 約5cm(5〜6cmを目安)
国際蘇生連絡委員会(ILCOR)のガイドラインでは、成人への胸骨圧迫の深さは約5cm(5〜6cm)を目安とし、6cmを超えないようにすることが推奨されています。
Question 41: 体の水分バランスについて正しいものはどれか。
- 水分の大部分は細胞外液として存在する
- 体重の約60%(成人男性)が水分であり、細胞内液と細胞外液に分布する (Correct answer)
- 体重の約30%が水分である
- 1日の水分摂取量と排泄量は無関係
Correct answer: 体重の約60%(成人男性)が水分であり、細胞内液と細胞外液に分布する
成人男性の体内水分量は体重の約60%(女性は約55%、乳児は約70%)で、そのうち約2/3が細胞内液、約1/3が細胞外液(血液・リンパ液・組織液)です。
Question 42: 有機溶剤作業主任者の職務として誤っているものはどれか。
- 局所排気装置等の点検を行うこと
- 有機溶剤作業者の健康診断を自ら実施すること (Correct answer)
- 作業方法を決定し、労働者を指揮すること
- 保護具の使用状況を監視すること
Correct answer: 有機溶剤作業者の健康診断を自ら実施すること
健康診断の実施は事業者(または産業医)の職務であり、作業主任者が自ら健康診断を実施する権限はありません。作業主任者の職務は、作業方法の決定・指揮、設備の点検、保護具の監視などです。
Question 43: じん肺法に基づくじん肺健康診断について正しいものはどれか。
- じん肺健康診断は全労働者が対象
- じん肺健康診断は就業時、定期(1〜3年ごと)、離職時等に実施が義務付けられている (Correct answer)
- じん肺健康診断は雇入れ時のみでよい
- じん肺健康診断の記録保存期間は5年間
Correct answer: じん肺健康診断は就業時、定期(1〜3年ごと)、離職時等に実施が義務付けられている
じん肺法に基づき、粉じん作業に従事する労働者等に対して就業時健康診断、定期健康診断(1〜3年ごと、区分により異なる)、定期外健康診断、離職時健康診断が義務付けられています。記録は7年間保存が必要です。
Question 44: 労働環境における騒音の測定単位と評価について正しいものはどれか。
- 騒音はヘルツ(Hz)で量を測定する
- 日本の騒音職業病の基準は100dBである
- 騒音はdB(デシベル)で測定し、管理濃度は85dBを基準とする(騒音障害防止ガイドライン) (Correct answer)
- 騒音測定は年1回の実施が義務付けられている
Correct answer: 騒音はdB(デシベル)で測定し、管理濃度は85dBを基準とする(騒音障害防止ガイドライン)
騒音レベルはdB(デシベル)で測定します。騒音障害防止ガイドラインでは、85dBを超える作業場では聴力保護プログラムの実施が推奨されます。Hzは周波数(音の高さ)の単位です。
第一種衛生管理者試験
第一種衛生管理者試験は、労働安全衛生法に基づき、職場の衛生環境管理・有害業務の安全管理・労働者の健康保持増進を担う衛生管理者の資格を取得するための国家試験です。有害業務を含む全業種の事業場で選任が義務付けられています。
Exam Rules
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