応用情報技術者試験 - Applied Information Technology Engineer Information System Strategy Questions and Answers — Questions and Answers
Question 1: 経済産業省が策定した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」におけるDXの定義として、最も適切なものはどれか。
- 既存の業務プロセスを効率化するために、最新のITツールを導入し、人手による作業を自動化すること。
- マーケティング活動を主軸に、WebサイトやSNSなどのデジタルチャネルを最大限に活用して、新規顧客獲得を目指すこと。
- 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。 (Correct answer)
- 全社的な情報システムを、従来のオンプレミス環境からクラウド環境へ全面的に移行し、運用コストの削減とシステムの柔軟性を高めること。
Correct answer: 企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
経済産業省の「DX推進ガイドライン」では、DXを単なるIT化や効率化ではなく、競争上の優位性を確立するための根本的な変革と定義しています。選択肢ウは、この定義に合致しており、ビジネスモデル、組織、企業文化の変革まで含んでいる点がポイントです。 他の選択肢は、DXの一部ではあり得ますが、その全体像を捉えていません。アは業務効率化、イはデジタルマーケティング、エはITインフラの刷新に限定された記述であり、DXの定義としては不十分です。
Question 2: ある企業が、中期経営計画に基づき、全社的な視点から業務と情報システムを再設計するためにエンタープライズアーキテクチャ(EA)を導入することにした。業務プロセスや組織構造をモデル化し、あるべき姿を定義する活動は、EAのどの構成要素に該当するか。
- ビジネスアーキテクチャ (Correct answer)
- データアーキテクチャ
- アプリケーションアーキテクチャ
- テクノロジアーキテクチャ
Correct answer: ビジネスアーキテクチャ
エンタープライズアーキテクチャ(EA)は、一般に「ビジネス」「データ」「アプリケーション」「テクノロジ」の4つの体系で構成されます。 このうち、企業の目的や戦略、組織構造、業務プロセスなどを体系的に示し、あるべき姿を定義するのは「ビジネスアーキテクチャ」の役割です。したがって、アが正解です。データアーキテクチャは情報(データ)の構造、アプリケーションアーキテクチャは業務処理に用いる情報システムの構造、テクノロジアーキテクチャは情報システムを支える技術基盤の構造をそれぞれ定義します。
Question 3: 情報システムをSoR(System of Record)とSoE(System of Engagement)に分類する考え方がある。SoEに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 企業の会計処理や人事管理など、データの正確性と一貫性を最優先し、安定的に記録・管理することを目的としたシステム。
- 基幹系システムから抽出されたデータを分析し、経営層の意思決定を支援するための洞察(Insight)を得ることを目的としたシステム。
- サーバやネットワークなどのITインフラを統合的に管理・運用し、システム全体の可用性やパフォーマンスを維持することを目的としたシステム。
- 顧客や従業員との接点を強化し、優れたユーザ体験を提供することに主眼を置くシステム。SNS連携やモバイル活用など、変化に迅速に対応できる俊敏性が求められる。 (Correct answer)
Correct answer: 顧客や従業員との接点を強化し、優れたユーザ体験を提供することに主眼を置くシステム。SNS連携やモバイル活用など、変化に迅速に対応できる俊敏性が求められる。
SoE(System of Engagement)は、顧客や従業員との「つながり」を強化するためのシステムです。 優れたUI/UXを通じてエンゲージメントを高めることを目的とし、市場や顧客のニーズに迅速に対応するためのアジリティが重視されます。したがって、エが正解です。アはSoR(System of Record)の説明です。 イはSoI(System of Insight)の説明に近いです。 ウはITインフラ管理システムの説明であり、SoEの概念とは異なります。
Question 4: 経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が策定した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」において、経営者がリーダーシップを発揮してCISOなどの担当幹部に指示すべき“重要10項目”として挙げられている内容に該当しないものはどれか。
- サイバーセキュリティリスクを認識し、組織全体での対応方針(セキュリティポリシー)を策定させること。
- 自社のウェブサイトで利用する全てのソフトウェアについて、オープンソースソフトウェアの利用を禁止し、商用ソフトウェアのみで構築させること。 (Correct answer)
- インシデント発生時の緊急対応体制を整備させ、その実効性を検証するために、定期的な演習を実施させること。
- 自社のみならず、ビジネスパートナーや委託先など、サプライチェーン全体を考慮した対策を推進させ、状況を把握すること。
Correct answer: 自社のウェブサイトで利用する全てのソフトウェアについて、オープンソースソフトウェアの利用を禁止し、商用ソフトウェアのみで構築させること。
「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」の重要10項目は、経営者が取るべき行動を大局的な視点で示したものです。 「リスク認識と方針策定(ア)」、「緊急対応体制の整備(ウ)」、「サプライチェーン対策(エ)」は重要10項目に含まれています。 一方、「オープンソースソフトウェアの利用禁止(イ)」のような、特定の技術や製品の利用を画一的に禁止する指示は、経営者が指示すべき戦略的な項目ではなく、むしろ技術選択の柔軟性を損なう可能性があるため、重要10項目には含まれていません。したがって、イが該当しないものとなります。
Question 5: ある企業が、バランススコアカード(BSC)を用いて情報システム戦略を評価している。「従業員のITスキル向上」や「情報共有基盤の整備」といった目標は、BSCのどの視点に分類されるか。
- 財務の視点
- 顧客の視点
- 学習と成長の視点 (Correct answer)
- 内部プロセスの視点
Correct answer: 学習と成長の視点
バランススコアカード(BSC)は、「財務」「顧客」「内部プロセス」「学習と成長」の4つの視点から業績を評価する経営管理手法です。 このうち、「学習と成長の視点」は、他の3つの視点の目標を達成するために必要な、組織や人材の能力、企業文化、情報システム基盤などを対象とします。 「従業員のITスキル向上」や「情報共有基盤の整備」は、将来の価値創造に向けた基盤づくりに該当するため、「学習と成長の視点」に分類されます。したがって、ウが正解です。
Question 6: 企業が新たな基幹システムを導入するために、複数のベンダーに提案依頼書(RFP)を提示することになった。RFPに含めるべき内容として、最も適切なものはどれか。
- システム開発を担当する自社のプロジェクトメンバ全員の氏名と連絡先一覧。
- 提案評価の公平性を保つため、予算の上限額や評価基準については記載せず、ベンダーからの自由な提案を求める。
- 導入を検討している特定のソフトウェア製品名を明記し、その製品をベースとした提案に限定するよう要求する。
- 導入の背景と目的、新システムに求める機能要件・非機能要件、提案の評価基準、および選定スケジュールを明記する。 (Correct answer)
Correct answer: 導入の背景と目的、新システムに求める機能要件・非機能要件、提案の評価基準、および選定スケジュールを明記する。
RFP(Request for Proposal:提案依頼書)は、自社の要求を明確に伝え、各ベンダーから質の高い適切な提案を受けるための文書です。 そのためには、導入の背景や目的、システムに求める要件(機能、性能、セキュリティなど)、どのような基準で提案を評価するか、選定プロセスとスケジュールなどを具体的に記載することが不可欠です。 したがって、エが最も適切です。アは不要な個人情報であり、イはベンダーが的確な提案をするのを困難にし、ウは競争原理を阻害するため、いずれも不適切です。
経済産業省が策定した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」におけるDXの定義として、最も適切なものはどれか。