簿記2級 工業簿記(原価計算) 4 — Questions and Answers
Question 1: 差額原価収益分析において意思決定に関連する原価として「埋没原価(サンクコスト)」の説明はどれか。
- 過去の意思決定で発生しどの選択肢を選んでも変わらない回収不能な原価 (Correct answer)
- 将来の生産量によって変動する原価
- 意思決定の代替案間で差異が生じる原価
- 固定費と変動費の合計
Correct answer: 過去の意思決定で発生しどの選択肢を選んでも変わらない回収不能な原価
埋没原価は過去に支払い済みで将来の意思決定に影響しない原価(例:既存設備の取得原価)。意思決定では埋没原価を考慮してはいけない。将来の差額原価と差額収益のみで判断する。
Question 2: 製造業における「振替価格(社内振替価格)」の設定目的として正しいものはどれか。
- グループ会社・部門間の取引価格を設定して各部門の業績を適正に評価する (Correct answer)
- 消費税の計算基準を設定する
- 製品の最終販売価格を決定する
- 労働組合との賃金交渉の基準
Correct answer: グループ会社・部門間の取引価格を設定して各部門の業績を適正に評価する
振替価格は本社・製造部門・販売部門などの社内取引に設定する内部価格。各部門をプロフィットセンターとして評価する際に重要で、市場価格・コストプラス法・交渉価格などで設定する。
Question 3: 直接材料費の価格差異が不利(借方)差異となる条件はどれか。
- 実際購入単価が標準購入単価より高かった場合 (Correct answer)
- 実際使用量が標準使用量より多かった場合
- 実際生産量が計画生産量より少なかった場合
- 為替レートが計画より円高になった場合
Correct answer: 実際購入単価が標準購入単価より高かった場合
材料価格差異=(標準単価-実際単価)×実際消費量。実際単価>標準単価の場合、差異はマイナス(不利差異・借方差異)となる。数量差異=(標準消費量-実際消費量)×標準単価。
Question 4: 製品を追加工して高く売るか、そのまま売るかの意思決定で考慮すべき原価はどれか。
- 追加加工で発生する差額原価のみ(過去の結合原価は無視) (Correct answer)
- 製品に配分された結合原価を含む全原価
- 追加工の固定費のみ
- 過去の設備投資額
Correct answer: 追加加工で発生する差額原価のみ(過去の結合原価は無視)
分離点以後の追加加工の意思決定では、分離点前の結合原価は埋没原価として無視する。追加加工の差額収益(価格上昇分)と差額原価(追加加工費)を比較し、差額収益>差額原価なら追加加工が有利。
Question 5: 製造原価の三要素として正しいものはどれか。
- 材料費・労務費・経費 (Correct answer)
- 売上原価・製造原価・販管費
- 変動費・固定費・準変動費
- 直接費・間接費・共通費
Correct answer: 材料費・労務費・経費
製造原価は材料費(材料・消耗品等)・労務費(賃金・給与・法定福利費等)・経費(電力費・減価償却費・外注費等)の三要素から成る。原価計算基準では更に直接費・間接費に分類する。
Question 6: 製造間接費の固定予算と変動予算の違いとして正しいものはどれか。
- 変動予算は操業度に応じた許容額を計算しより精度の高い差異分析ができる (Correct answer)
- 固定予算の方が差異分析の精度が高い
- 両者に実務上の違いはない
- 変動予算は財務会計に必須の方法
Correct answer: 変動予算は操業度に応じた許容額を計算しより精度の高い差異分析ができる
固定予算は操業度にかかわらず一定の予算額。変動予算は実際操業度に応じて変動費部分が変動する弾力的な予算。変動予算の方が実際操業度での「許容額」との比較ができるため、差異分析の精度が高い。
差額原価収益分析において意思決定に関連する原価として「埋没原価(サンクコスト)」の説明はどれか。